放送用信号(SDIやAES等)をIP化するゲートウェイ

公開日:2020/04/15最終更新日:2020/05/08

evertz_scorpion_IP化

最近はSNSを始め、いろいろなところでインターネットもしくはネットワークを使用する製品が多く見受けられるようになりました。リモートワークや社内チャットなどもそうです。
放送の業界ではどうでしょうか。数年前からIPという言葉が出始め、最近は以前よりは少しずつ馴染んできたのではないでしょうか。

ただ、IPと言っても具体的にどのようなことをして、現在まで使用しているSDIとどのように違うのでしょうか。

 

そもそも放送用信号のIP化とは

SDIやAESなどに代表される放送用信号のIP化は現在SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers:米国映画テレビ技術者協会)によって標準化されています。

 

SMPTE ST2022(2022-1, -2, -3, -4, -5, -6, -7, -8)

→SDIをそのままIPカプセル化

 

SMPTE ST2110(2110-10, -20, -21, -22, -30, -31, -40)

→映像/音声/メタデータを個別にIPカプセル化

SMPTE ST2059(2059-1, -2) …PTP

→IPによる同期に関する規格 *ST2110では必須
(BB,3値シンクに代わりIPで同期を分配する規格)

 

その他の規格として、

AES-67

→非圧縮音声のIPカプセル化

 

DANTE

→非圧縮音声のIPカプセル化(標準規格ではない)

 

 

従来の映像・音声信号・メタデータ(アンシラリー)をIPに変換することをカプセル化またはデカプセル化と呼びます。

  • 従来の信号→IP: カプセル化
  • IP→従来の信号: デカプセル化

テクノハウスで取り扱いのあるevertzは以前からIP化を強く推進しており、2012年にST2022-6が制定されてすぐにゲートウェイとIPスイッチ製品をリリースしました。
2014年に大手スポーツ専門チャンネル、2018年に世界最大規模の放送局、2019年にニュース専門チャンネル等大規模なシステムを導入しており、現在までに大小含めて400以上のIPシステムを導入してきました。

IP化によるメリット

1.専有容積の削減ができる

基本的に10Gbps、25Gbps等をSFP+を使い双方向で(片側毎に10Gbps、25Gbps)伝送します。
ですので、例えばHD-SDIでしたら単純計算で6信号分(1.5Gbps x 6 = 9Gbps)をSFP 1つで伝送することができますし、12G-SDIでしたら2信号分(12Gbps x 2 = 24Gbps)伝送できます。
よって、同軸ケーブルを双方向系12本つなげるところをファイバー2本で済むので大幅な容積削減が可能です。特に信号数が増える可能性がある場合などはそのメリットが大きく効いてきます。

 

2.拡張性がある

IPは「帯域幅に対しどの程度の信号を流すか」という考え方のため、1本の信号=1本のケーブルという考え方ではなくなります。
そのため、10GbpsにてHDを3本伝送しているのであれば、単純計算で後3本分は通せることとなります。なのでポートを3箇所追加で使用する必要はありません。

また、25Gbpsでの使用の場合には、HD-SDIを16本伝送することが、4Kに対応する場合にも4K非圧縮で2本(12G-SDI x2)ができます。さらに、12G-SDIで1本、HD-SDIを8本伝送など自由な組み合わせで対応することができます。
※ゲートウェイ、スイッチ等のI/Oによります。

3.  4Kにも柔軟に対応できる

上記の通り、現在は4Kの運用予定がない場合、現状はHD-SDIで運用しその後の4Kに対しても大幅な機材追加無しで柔軟に対応することができます。

 

evertzのSCORPIONでできること

scorpion_evertz

1.対応している規格

SMPTE ST2022-2/ -6、SMPTE ST2110に対応しており、ST2022-7のヒットレスにも対応しています。
またNMOSのIS-04/ -05については近い将来対応予定です。

 

2.様々な種類の信号に対応している

evertzはファイバー製品が充実しておりSDIを始め、AES・アナログオーディオ・イーサネット・RF信号・GPIOなどを送ることができます。
SCORPIONには、MIO(Mini-I/O)モジュールと呼ばれる小さいインターフェイスがあります。
対応している信号は下記の通りです。

  • SDI(12G/ 3G/ HD/ SD)、ASI
  • HDMI
  • アナログビデオ
  • 1Gigイーサネット
  • AES
  • アナログオーディオ
  • GPIO
  • シリアルデータ
  • USB
  • DANTE

 

3.用途として

リモートプロダクション

SCORPIONはIPゲートウェイですが、ファイバーのようにポイントツーポイントの伝送にも優れた性能を発揮します。
ですので、片方は会場などの遠隔地、もう片方を本社に設置し本社側からコントロールすることが可能です。

 

ファイバー製品

ポイントツーポイントでSCORPION同士を接続することで今までのファイバー製品と同様に拠点間伝送をすることができます。
現在使用中のSDIやオーディオ、イーサネットなどの信号をまとめて双方向で伝送することができますので、ファイバーの代替品としてご利用頂けます。また、SCORPIONは双方向伝送となるため、今まで使用波長がいっぱいで追加できなかった場所でも伝送する信号を追加できる可能性があります。

 

最後に

evertzのSCORPIONシリーズは、汎用性・柔軟性・コストパフォーマンスに優れたシリーズです。
また、SDIのIP化に際し入り口の製品としても導入頂いています。

デモ機も用意がございますので、ぜひ一度ご覧下さい。
お問い合わせはこちらからどうぞ。