スタジオ移転に伴うDHDカスタマイズミキサー導入事例 -ABS秋田放送様-

公開日:2020/10/01最終更新日:2020/10/01

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ABS秋田放送 新社屋移転に伴い、スタジオシステムが一新され、ニューススタジオ(テレビ)、ラジオスタジオにDHD.audioを導入していただきました。

OTCミキサー 兼 N-1マトリクスシステム 国内初導入DHD52/MX

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ニューススタジオ OTCミキサー

 

テレビ ニューススタジオでは、DHD.audio社製のOTC(ワンタッチコントロール)ミキサー 兼 N-1マトリクスを導入しました。OTCミキサーはこれまで国産メーカーの専用ミキサーとして導入されるケースがほとんどで、海外製のミキサーがなかなか採用されることがないジャンルでしたが、OTCシステムを構築するOTCメーカーとテストを重ね、DHD.audio社 52/MXを使用したOTCミキサー 兼 N-1マトリクスシステムとして国内初導入となりました。

OTCミキサーはOTCシステムからコントロールされるA,B,Cフェーダーと、マニュアル操作を行う3本のフェーダーがベースとなります。さらにN-1マトリクスモジュールとしてカスタマイズ性の高いタッチディスプレイを使った操作面を使用しています。

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汎用モジュールの組み合わせでコストを削減

これらのモジュールは52/MXシリーズの汎用モジュールを組み合わせて使用しているため、コストを削減することができ、更にシステムの構成にあわせて自由にモジュールを組み替えることが可能となっています。
N-1マトリクスはタッチディスプレイを使い、視認性が高く、操作感にもこだわったデザインになっています。

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OTCシステムからのコントロールは、メーカーからDHDコマンドが公開されているので、必要な動作は用意されたDHDコマンドに当てはめるだけで動作が行えました。

初めてのOTCミキサーと言うことで、ラジオ用のミキサーとは内部構成、制御、デザインが大きく異なり、カスタマイズはかなり苦労をしましたが、事前打ち合わせから、運用開始までの間に様々な要望を加え使いやすいミキサーに仕上がっています。

DHDを扱い始めた当時からOTCミキサーとして使えることを確信していて、テストを重ね展示会などでも紹介をしてきました。今回ついに採用が決まったことで、DHDミキサーの新たな使い方がひとつ増えました。今後はこのデザインをベースに導入が増えていくでしょう。

 

ラジオ 第1、第2、第3スタジオ用ミキサー

ラジオスタジオでは3つのスタジオが新設され、すべてのスタジオにDHD.audioのミキサーを採用していただきました。

視認性抜群のTFTディスプレイ DHD RX2

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生放送スタジオ DHD RX2ミキサー

 

第1スタジオ、第3スタジオは生放送向けのスタジオとして、2つのスタジオのデザインを共通化しています。主に第3スタジオをメインの生放送スタジオで使用し、第1スタジオが収録メインのバックアップスタジオの位置づけとなっています。
当初は52/MXの導入を検討していたものの、操作感をシンプルなものにするため52/RXに切り替えて話を進めていました。しかし52/RXのモデルチェンジに伴い後継モデルのRX2の導入となりました。
RX2を採用したことで操作感は52/RXよりも良くなり、全てのモジュールにTFTディスプレイが付いたことで、当初検討していた52/MXに引けを取らない情報量を得ることができるようになりました。

 

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視認性抜群のTFTディスプレイ

 

カフボックスのマトリクスをミキサー内で構築

今回の仕様で面白いのは、2台設置したFU BOXのマトリクスをミキサー内で構築しています。普通はマイクとFU BOXの組み合わせが予め固定されているのですが、秋田放送の場合パーソナリティーが座る位置が固定しにくいこともあり、番組ごとにFU BOXに連動するマイクの組み合わせが変わる可能性がありました。そのためFU BOX用のマトリクスを作り自由に組み合わせができるようになっています。またコミュケーション系も自由度を持たせるために個別にトークバックができるようになっています。

第3スタジオではRX2ミキサーの他に、スタジオ内に52/DXミキサーと小型のポン出しリモコンが用意されていて、スタジオ内のパーソナリティーだけでワンマン放送もできるようになっています。

第2スタジオは生放送にも対応する収録メインのスタジオになっています。
ワンマンスタイルの操作を行うこともあり、アナウンサーが操作に負担を感じることがないようにSX2 10フェーダーミキサーを採用し、トークに集中できるミキサーをデザインしています。フェーダー数は少なくなっていますが、スナップショットを使用することでフェーダー素材の並びを瞬時に呼び出し、収録のスタイルに合わせたレイアウトを使用することができます。

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ワンマン収録用の第2スタジオ

 

第2スタジオはFU BOXマトリクスは搭載していないが、代わりに「ノーマルモード」と「ワンマンモード」の2つのスタイルをワンタッチで切り替え、マイクとFU BOXの組み合わせを自動的に組み合わせる事ができるようになっています。モードを切り替えるとマイクアームに付いているMIC ONランプの点灯条件も同時に切り替わる仕組みを搭載しています。
ノーマルモード:番組ナレーションやCM収録
ワンマンモード:ワンマン録音

 

リモートアップデートのメリットも

今回、新社屋へのミキサーの導入と言うことで、普段のスタジオ更新とは違い時間的な余裕はあるものの、回線など引越しが終わらないと切り替えできない物も多くチェックが難しいところもありました。しかし全てのスタジオで同じDHDを入れられたことで、全体的なコンセプトを揃えることができ、ミキサーの種類が異なっても操作感が異なることのないスタジオシステムが出来上がっていると思います。
またスタジオの引き渡しから放送開始まで十分な時間を取ることができたので、番組収録や運用トレーニングを多く行うことで、細かな修正点や新たな要望などが出てきました。通常であれば現地に赴き改修を行うように思われますが、事前にリモート環境を構築していたので、全てリモートアップデートで対応を行い、要望から対応までの時間を短縮できています。

 

ミキサー周辺機材も色々採用されています

ミキサーはDHDを採用してもらいましたが、他にも色々とテクノハウスで扱う機材を採用してもらっています。
電話放送に欠かせないテレホンハイブリッドには、SONIFEXの DHY-03T、DHY-03Sを各スタジオに導入しています。他にもワードクロック分配器、アナログ分配器、デジタル分配器などSONIFEXのRedBoxシリーズや、スタジオ導入では定番になっている、HP1 ヘッドホンボックスなども採用されています。更にすべてのミキサーで時計表示をするために、NTPタイムサーバーを1台使用して、DHDネットワーク内に専用のタイムサーバーを構築してあります。

 

 

主な使用機材