IO Industries SDI POVカメラのレンズ選び

公開日:2022/06/27最終更新日:2022/07/21

基本はCマウント

IO Industriesの「Victorem」シリーズコンパクトカメラモジュール、4KSDI-Mini は、Cマウントのレンズマウントを持つ、レンズ別体のカメラです。その為、よくお客様から「どんなレンズを選べばよいの?」と、ご質問を受けます。

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IO Industries 「Victorem 4KSDI-Mini」

最も入手しやすく高性能なCマウントレンズは、産業用カメラの単焦点レンズを使用することです。メーカーとしては興和オプトロニクス、フジノン、スペース、リコーなどがあります。弊社デモ機には興和オプトロニクスの製品が添付されていますが、4K解像度であれば8メガピクセル以上をうたったレンズから選んでいただければよろしいでしょう。

 

Cマウントレンズでのオートアイリス

Cマウントはネジを利用してカメラとレンズを固定するスクリューマウントの一種です。電子制御接点などはついていないため、カメラ側からのコントロールはなく、フォーカスやアイリスはレンズリングを手動で調整します。一部レンズにはDCサーボによりオートアイリスを行うレンズもありますが、そのレンズを駆動するためには対応したモデルのカメラを選ぶ必要があります。4KSDI-Mini-Dというモデルです。レンズポートに「CAB4KMINIDCI」というインターフェースケーブルを介してDCサーボレンズをつなぎます。

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このレンズポートは、本来、アクティブEFマウントの電子制御接点を駆動するための物です。その為、4KSDI-Mini-DはアクティブEFマウントに互換性がありません。

 

アクティブEFマウントによるEF/EF-Sレンズの使用

アクティブEFマウント「VICLENSMOUNT-A」は、IO Industriesが提供するC→EFマウントアダプターです。

 

キヤノンLシリーズに代表される一眼レフカメラ用EF/EF-Sレンズは、フルマニュアルのレンズを除きアイリスリングを持っていません。この為、カメラから電子制御する必要があり、このアダプターはカメラのレンズポートからの制御信号を電子制御接点に変換します。このアダプターを使用することにより、遠隔からカメラオペレーション系でのアイリスとフォーカスのコントロールを行うことができます。

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アクティブEFマウント「VICLENSMOUNT-A」

Cマウント以外のバリエーション

IO IndustriesのSDI POVカメラには、Victorem 4KSDI-Miniと2KSDI-Mini、そして8KSDIのラインナップがあります。2KSDI-Miniで使用可能なレンズはCマウント、およびアクティブEFマウントを介してEF/EF-Sマウントレンズがあり、4KSDI-Miniには、さらにMFTマウントのバリエーションがあります。

CマウントとMFTマウントの4KSDI-Mini
CマウントとMFTマウントの4KSDI-Mini

4KSDI-MiniのMFTマウントは、電子制御接点を持っていないので、シネマレンズのようなフルマニュアルのレンズをご利用いただけます。8KSDIについては、購入時にEFマウント、Fマウントのどちらかのマウントを選んでいただきます。ユーザーによるマウント交換は保証されていません。

2つのマウントのバリエーションを持つ8KSDI
2つのマウントのバリエーションを持つ8KSDI

EFマウントはアクティブタイプで、遠隔からカメラオペレーション系でのアイリスとフォーカスのコントロールを行うことができます。さらに近日中のアップデートで、キヤノンのCOMPACT-SERVOレンズ「CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S」「CN-E70-200mm T4.4 L IS KAS S」のズーム操作を遠隔から行えるようになる予定です。

 

焦点距離と画角 どのくらいの広さが撮れるか

単焦点レンズを選択する場合、どのくらいの画面の広さを撮ることができるのか、いわゆる「画角」について考察しなければなりません。
画角(一般的には画面の対角線の広さの角度)はセンサーサイズとレンズの焦点距離から計算できます。

 

画角=180/π×2×atan(撮像素子の対角線の長さ÷(2×焦点距離))

 

4KSDI-Miniの場合、使用しているセンサーはIMX305で、1ピクセルの大きさは3.45㎛です。UHD解像度の時は、横3840×3.45㎛、縦2160×3.45㎛。H2乗+V2乗=231.04の平方根で、対角線の長さは15.2㎜となり、例えば焦点距離が16㎜のレンズを使用した場合、画角は、50.8度と計算されます。(同様にH画角は45度、V画角は26.2度と計算されます。)
UHD解像度ではなくDCI4K(4096×2160)の場合や、センサーサイズが小さいローリングシャッタータイプの4KSDI-Mini-RS(IMX183 2.4㎛)の場合など、条件を変えることで必要な撮影範囲が得られる場合がありますので、ぜひ計算してみてください。

2KSDI-MiniでのCマウントレンズ注意点

2KSDI-Miniは、その小型軽量を実現するため、CマウントとOLPフィルター周りに補強が施されています。また、Cマウントレンズの中には、フォーカス調整のためにリアコンポーネントがマウント面から飛び出す設計になっているものがあり、これが、2KSDI-Miniのマウント補強に干渉する場合があります。

 

  • まず、レンズのリアコンポーネントの直径が22.0mm未満である必要があります。それより大きいとCマウントリング補強に干渉します。
  • リアコンポーネントの突き出しが8.5mm以上で、直径が21.6mmを超えるものは、OLPFを保持しているCリテーナーに干渉します。
  • 突き出しが10.2mm以上で、直径が21mmから13.5mm未満のものは、OLPFホルダーに干渉します。
  • 突き出しが11.5mm以上で、直径が13.2mm未満のものは、OLPFに干渉します。

2KSDI-Miniのレンズを選ぶ場合は、以上の点にも注意し、可能ならレンズメーカーに設計図面の提供を依頼するといいでしょう。

Victorem 2KSDI-Mini
Victorem 2KSDI-Mini

IO industriesのカメラはレンズ交換ができるため、最適なレンズを選択するためにある程度知識と経験を必要とします。しかし、最適なレンズを選択できることは大きなメリットであるはずです。手のひらサイズのコンパクトカメラモジュールでレンズ交換可能というメリットを発揮する現場に、IO industries SDI POVカメラをご利用ください。